症状 |
回虫が少数の場合は、病気らしい症状はほとんどありません。しかし、子犬でたくさんの回虫が発生した場合には、症状がはっきりしてきます。
まず、お腹がふくれて、食べたものや、回虫を吐いたり、下痢といった症状がでます。そのうえ、子犬は発育不良となって、元気もなくなり、やせて貧血状態になります。場合によっては、回虫のかたまりが腸につまって、腸閉塞をおこしたり、その毒素のために、けいれんやてんかんのような発作を起こすこともあります。
このように、回虫症といえども、症状が重い場合には死亡することもありますので、注意してください。
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原因 |
回虫は、ミミズを白くしたような、長さが7~15cmぐらいの虫です。糞便中に排出された虫の卵は、外界で発育して成熟卵となり、犬が口から食べ物などといっしょに飲み込むことによって感染します。この成熟卵が小腸でふ化して子虫となっていきます。口から感染するので、経口感染といいます。
なお、妊娠している犬が感染していると、体内を移動している子虫が、母犬の胎盤を通して胎児の腸管に移動します。これによって、生まれてくる子犬感染します。これを、胎盤感染といいます。 |
診断方法 |
診断は、検便によっておこないます。具体的には、糞便中の虫卵を顕微鏡で検査するというかたちをとります。 |
治療方法 |
駆虫薬を飲ませます。投薬は1回だけではなく、必ず投与してから2週間以降に再度検査をおこない、その結果によっては、再投与します。
駆虫によって症状は改善されますが、体力を回復させるために、整腸剤、栄養剤などで対処療法をすることもあります。 |
予防方法 |
犬の糞便は放置せず、すぐに始末しましょう。そして、こまめに清掃や消毒を行い、犬がいる場所を清潔にしておきましょう。天使の水を使った消毒も効果的です。
また、繁殖が予定されているメスは、その前に胎盤感染を予防するために子虫を確実に駆虫しておきましょう。
犬の回虫は、人間にも感染する可能性があります。虫卵が口からはいり、小腸で子虫になって、腸壁からいろんな臓器にうつり、人体に障害をあたえます。子犬との接触が多い、3~5歳の子供が感染しやすいので、注意しましょう。
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