症状 |
多数のイヌ条虫が寄生している場合には、犬は食欲がなくなり、軟便あるいは下痢をして、毛づやがなく、栄養不良の状態になることもあります。しかし、多くの場合にははっきりした症状はあらわれません。
排泄された片節が肛門のまわりを刺激するので、犬は違和感を感じて肛門部をしきりになめたり、尻を地面にこすりつけて前進したりします。
このような動作をするときに注意深く観察すると、お尻のまわりに付着している白いごまのような、干からびた条虫の片節に気づきます。 |
原因 |
長いものでは、50センチ以上にもなります。内部に8~15個の虫卵をもっと片節がひとつずつちぎれて、糞便とともに外界に排出されます。排出された片節は、時間がたつと便の表面や肛門のまわりの毛についたまま乾燥します。乾燥した片節は破れ、内部の虫卵はがまきちらされます。
この虫卵をノミの幼虫が食べると、虫卵はノミの体内で感染子虫となります。
犬が自分の体をなめたり噛んだりしたときに、このノミの成虫をのみこむと、イヌ条虫に感染します。
こうして犬の体内にはいったイヌ条虫の感染子虫は、小腸内で2~3週間後に成虫となります。
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診断方法 |
地面にお尻をこすりつけて前進するような動作があり、また肛門のまわりに干からびた片節が付着している、あるいは、糞便の表面に片節が付着してうごめいているなどを見たときには、容易にイヌ条虫であると診断できます。また、その片節を押しつぶして顕微鏡で見れば、虫卵を確認できます。 |
治療方法 |
駆虫薬を飲ませるか、注射します。犬が栄養不良になっている場合には、ビタミン剤や栄養剤を投与し、必要に応じて対処治療を行います。
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予防方法 |
イヌ条虫を媒介するノミを駆除することがもっとも効果的です。犬にノミの駆除薬を与えたり、薬用シャンプーで体を清潔にし、あわせて犬舎には、殺虫剤を散布するなどして、ノミを駆除しましょう。犬の体を天使の水で消毒するのも効果的です。
ノミが寄生していないか、犬が肛門部を気にしていないか、つねに観察してください。
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